1.ワクチン接種はなぜ必要なのか?
生まれたばかりの子犬は、自分で免疫抗体を作ることができませんから、
母犬の母乳に含まれる移行抗体という免疫抗体により、さまざまな病気から守られています。
(たまに母乳を飲む力のないくらい弱い子が生まれることがあり、その場合は子犬に免疫力がつかず
死に至ることが多いのもこのためです。)
しかしこの移行抗体は、生後6週目あたりから徐々に減少し始め、12〜14週目には完全に消滅してしまいます。
これは生後3週間〜4週間ほどしますと母乳から離乳食に変わるからです。
移行抗体が消滅すると感染病に対する耐性が低くなってしまいます。
そのために子犬には免疫抗体の作成を補助するワクチン接種が必要なのです。
しかし問題なのがワクチン接種の時期です。
2.ワクチン接種はいつが良いのか?
移行抗体がまだ大量に残っていると、ワクチンを打ってもバウンドし抗体が作ることができません。言いかえると母犬の母乳から得た移行抗体がワクチンを拒否してしまうのです。
<母犬からの移行抗体が消滅すると感染病にかかりやすくなるが、それがいつ切れるかは
正確には分からない。しかし前もってワクチンを接種しても移行抗体に阻まれ、効果がないこともある。>
そこで移行抗体が減少し始める6週目くらいから完全に無くなってしまう14週目までの間に、
日数をあけつつ、2〜3回のワクチンを接種を行うプログラムが考えられました。
一般的には2ヶ月目と3ヶ月目の2回打つケースが多いのですが獣医さんの考え方によって
・生後2ヶ月目(8〜9週)と3ヶ月目(12〜14週)にそれぞれ1回づつの計2回接種
・生後2ヶ月目、3ヶ月目、4ヶ月目にそれぞれ1回づつの計3回接種
・生後6週目と9週目、更に12〜14週目に1回づつの計3回接種
などがあります。
移行抗体が消えるタイミングは、個体差がありバラバラですので上記のプログラムのうちどれが正しいというわけではありません。
最終的に感染病に対する抗体ができれば良いのです。
※ワクチンが効いているかどうかは、血液検査をし高いお金と時間を掛ければわかるのですが
それよりもワクチンを複数回打ってしまったほうが早く安く済みます。
検査結果を待つ間に感染病が発症してしまったら意味がありません。
●最近のワクチンは、技術の進歩により、母親の移行抗体の影響を受けにくくなってきていますので生後45〜60日前後に最初のワクチンを打っている限りは、それほど心配の必要はないと思われます。
●子犬が生まれた初年度のワクチン接種プログラムによって得られた免疫抗体は、約1年間効果が持続しますのでその後は、1年に1回ワクチンを接種するのが理想と言われています。
3.ワクチンを打たないと伝染病にかかりやすいのか?
ワクチンを打たないと必ず感染病にかかるというものではありませんが、その確率は非常に高くなるといえます。逆にワクチンを打っても、感染症を100%防げるというわけではありません。ワクチン自体は本来、感染病に対する予防的なもので、未接種でも感染源であるウィルスと接触しない限りは、発症することはありません。
しかし、ウィルスは目に見えませんので、どこで感染してしまうのかはわかりません・・・
動物病院やペットショップ、ドッグラン、更にはお散歩中の道端など、あらゆる所にウィルスは存在しています。
家の中に、滅菌状態で閉じ込めておけば、ワクチンを接種する必要はないのでしょうが、それは不可能なことです。
パルボやジステンパーなどは、感染すると簡単に死に至る本当に恐ろしい病気です。
この怖い病気を数回ワクチンを接種することにより、ほぼ完全に防げるのでしたら、
ワクチン接種の意味は非常に大きいと言えるでしょう。
4.ワクチンの種類について
@ワクチンには<生ワクチン>と<不活化ワクチン> の2種類があります。
「生ワクチン」は、生きているウィルスを使用しているワクチンであり、弱毒株と言われる弱いウィルスで、ワクチン接種時に体内に入ると増殖を開始し、非常に軽微ですが病気に感染したのと同じ状態になります。
この過程で抗体ができまずので、非常に強力な免疫力がつき、持続性があることが長所です。
逆に短所としては、生きたウィルス使っているため、体調が悪い時など免疫力が弱っていると、本当にその病気を発症してしまう可能性があるということです。
現在の5種混合ワクチンなどは、ほとんどこの「生ワクチン」が使われています。
「不活化ワクチン」は、死滅したウイルスを材料にしているので接種後の増殖はありません。
このため、生ワクチンに比べると免疫力が弱く、持続力も劣ります。
しかし、逆に長所としてその病原体による症状があらわれることはほとんどないです。
「不活性化ワクチン」は主に狂犬病のワクチンなどで用いられています。
A混合ワクチンの種類は、対象ウィルスの数により種別されています。
【2種混合ワクチン】
子犬の引き渡し前に、最低でも接種しておかなければならないのが2種混合ワクチンです。
この場合の2種とは、犬ジステンバーウィルス感染症、犬パルボウィルス感染症をいいます。
この2つの感染症が最も発症確率が高く、また死亡確率も高い恐ろしい病気だからです。
【5種混合ワクチン】
5種混合ワクチンとは、2種混合に含まれる犬ジステンバー、犬パルボウィルス感染症に加え、犬アデノウィルス2型感染症、犬伝染性肝炎、犬パラインフルエンザを含めたものをいいます。
子犬の状態により、初回はこの5種混合ワクチンを選択する獣医が多いようです。
【6種混合ワクチン】
5種混合ワクチンに、コロナウィルスが追加されたものが6種混合ワクチンです。
コロナウイルスは、単独感染ではそれほど重症にはなりませんが、パルボウイルスと重複感染すると、パルボによる致死率が上昇すると言われています。
【8種混合ワクチン】
5種混合ワクチンに、犬レプトスピラ感染症を加えたものが7種または8種混合ワクチンです。
犬レプトスピラ感染症には200種類以上あり、日本で確認されているのは9種類です。
7種混合ワクチンではそのうち2種類、8種混合ワクチンでは3種類が予防対象となっています。
【9種混合ワクチン】
6種混合ワクチンに、上記の犬レプトスピラ感染症を加えたものが、9種混合ワクチンです。
ただし、コロナウィルスは、生後6週齢を過ぎた犬にはほとんど感染しないことが知られているため、上記の8種混合ワクチンのほうが最も一般的な混合ワクチンと言えるでしょう。
【狂犬病ワクチン】
最悪の人畜共通感染症(ズーノーシス)といえば、発症すると必ず死亡する狂犬病です。
人にも感染し、感染した動物はもちろん、人間も含めて必ず死亡する恐ろしい伝染病です。
狂犬病予防法により、ワクチン接種が法律で義務付けられており、犬を飼い始めてから30日以内に1回、その後も毎年1回ワクチン接種を受けなければなりません。
日本では、ここ数十年、上記の法定ワクチンが功を奏し、1件も発生していないですが、世界的にみるといまだに猛威をふるっている恐るべき感染症です。
必ず毎年接種するようにしてください。
B混合の種類は多ければ多いほど良いということではありません。
最初に書いたように『毒』を注入するのですから、それなりのリスクがあることは理解しなければなりません。一時的に弱ったり、アレルギー反応を起こしたりする子もいます。
また、ワクチン接種後には、激しい運動や移動、シャワーなども控えなければなりません。
健康状態を獣医が確認し、そのうえで接種する必要があります。
▲このページの先頭に戻る
Copyright(c) 2008,Doggys Page All lights reserved.
|
|















|